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ちょっとした小話?
 by ヨイドレドラゴン 


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コパンドンの統治する独立都市。
「CITY」

最近、出来たばかりのこの町にランス達は滞在していた。

ランスは鈴女・サチコと共に
CITYのマカット酒場で、
昼間から酒を飲みつつ、くだを巻いていた。

「うーむ、俺様の出番はまだなのか……?」

「きっともう少しでござるよー」
「ぐびぐび、ぷはー。
 うむむむむ……もう俺様は待てんぞ……」
「もう少しでござるよー」
「うーむ、出番がないから遊ぶことしか出来ない……」
「確かに連日遊んでばかりでござるな」
「うむ、昨日は競うしをしたな。
 その前は焼き肉を食べたし、
 一昨日はカジノで遊びまくったぞ」
「毎日毎日遊んでるでござる」
「む? サチコ、何を縮こまっている」
「だ、だって……酒場って不良の人が行くところですよ?
 先生に怒られちゃいますよ、いけません怒られます……」
「ふん、まだまだガキだな」
「まあ、仕方ないでござるね」
「いや、駄目だ。酒の席で付き合い悪い奴は出世できないぞ。
 ほれほれ、お前も飲むのだ」
サチコ・慌て
「わわわ、私のグラスにお酒つがないで下さいよぅ」
ランス・ぐふふ
「一口くらい平気だ。ほれほれ早く行け」
サチコ・呆れ
「……じゃ、じゃあ……一口だけ、ですよ……?」

ぺろっ。
 
サチコ・慌て
「あ、あうっ!」

サチコは思いきり顔をしかめ、グラスを離した。
 
「がははははははは!」
「……苦いです、飲めないです、舌がしびしびします……」
「分かってないなー、それが美味いのだ。
 ――おっと、酒がなくなったか。
 アタゴちゃん、おかわりー」

酒場の店主アタゴが、顔を向けてきた。
 
「ちなみに彼女は俺様に惚れている」
「嘘言ったら閻魔さまに舌抜かれるでござるよ」
「いや、ホント、めろめろ。
 おーい、アタゴちゃんこっちだー」
「惚れてるわけないでしょう……」

アタゴはランスを睨みながら、乱暴にグラスを置いた。
 
サチコ・呆れ
「……あの、怒ってるんじゃないですか?」
「違う違う、照れ隠し。
 そうだろ? アタゴちゃん」
「……ああ、はいはい。そうね」
「うわ、スゲェ面倒そうな顔しやがった」
「……じゃ、私は仕事あるから」

アタゴは少し不機嫌そうに去って行った。
 
「むむむ、なんか扱いがぞんざい……」
「色々とやったから、すっかり嫌われてるでござるな」
「俺様がなにをした」
「何度も襲ったり、店で他の冒険者と喧嘩されたら、
 普通は嫌われるでござるよ」
「……そんなことはない。きっと仕事中だから、照れているんだ」
「そうでござるかねー」
「うむ」
「んじゃ、この間のコパンドンって人も、
 照れているでござるか?」
「そうそう」
「遊んでばっかりのランスを見て、
 ジトッとした目してたでござるが」
「うむ、照れてるのだ」
「鈴女には失望していたように見えたでござるけど」
「いや、照れてる、照れてる。
 元々コパンドンは俺の女だ、疑いの余地なし」
「でも、町の女の子達は
 ランスのこと怖がってるでござるよ?」
「なに? そうなのか……?」
「で、ござる」
「はっ……言われてみれば、
 俺様の周りに女の子が少ない……」
「鈴女、女の子でござるよ。サチコも女の子」
「違う。俺様はもっとモテモテでいいはずなのだ」
「……ダラダラ遊んでいて、乱暴ばっかりしてたら、
 そりゃ町の人には嫌われるし怖がられるでござるよ」
「……マジか」
「マジマジ」
「うーむ……」
「よーし! では、そろそろ冒険を再開するぞ!
 俺様の素敵な姿を色んな女に見せつけるのだ!」
「お、やる気になった」
「がははは!
 やはり俺様は冒険をしているときが
 いちばん格好いいからな」
「おー、ぱちぱちー」
「手始めに女の子が手に入るようなクエストを探すぞ!」
「では、今からでも早速行くでござるか?」
「いや、明日になったら行く。
 明日になっても、メンドかったら行かない」
「……あー」
「なんだよ?」
「適当でござるなあ」
「世の中には優先順位というものがあるのだ」
「ま、ランスがいいなら、いいけど。
 でも、シィルはいいでござるか?」
「シィルなんか優先順位は
 もっと後。更に後。うん」
「可哀相でござるよ」
「いいのだ、  覚えているだけ奴隷としては破格の扱いだ」
「で、ござるかねえ」
「で、ござるのだ。
 がははははははははははは!」
「あ、こら、サチコなにを酔い潰れてる! ちょーっぷ!」
サチコ・ボケ
「わひっ!?」

今日もランスは酒場でダラダラ過ごした。
 

『ランス・クエスト』に続く。





どうも、ランス・クエストでシナリオライターやりました、
ヨイドレ・ドラゴンです。

TADAさんに「今度のランスブログ担当してねー。なんか小話かいてー」
と唐突に言われて、ひーひー言いながら書きました。
(普段何か書くときは、TADAさんのラフ文を元に書くのですよ。
 今回はそういうのナシ)

ハニホンにあった戦国ランス後日談の後日談でも書こうかーとか、
「三匹が斬ったり突いたり燃やしたり」の直後の話書こうかーとか、
「ランス・クエスト」の話を書くにも、発売前にどれだけ掘り下げていいのやらと、
色々血迷ったりしつつ、二転三転どころか七転八転ぐらいして無難な所に軟着陸。
「ランス・クエスト」発売前なんで、状況説明がてらの話です。
ちなみにランス君はCITYの住人に嫌われていたり、怖がられていたり。
あ、それと普段はランス君、宿屋で暮らしています。冒険者らしいですね。

さて、発売までついに2週間となりました。
みなさんプレイの準備はOKでしょうか?
こちらは心の準備がNOです・・もう、落ち着かない、落ち着かない。
発売日が近づいて緊張してますよ。
でもプレイしてもらいたい、という気持ちもあり・・うぬう・・

・・発売日前ってソワソワと落ち着かないですね。


11お答えタイトル

 >マスターアップおめでとうございます。
>うずうずわくわくして発売を待ってます。

いいなー、楽しそうー。
こちらはソワソワのドキドキです。


>あと一ヶ月!
>そろそろパンツ脱ぐか……!

あと二週間。
風邪を引いてはいけないので一旦また穿いて下さい。
もし、また脱ぐときは冷房調節にも気をつけてくださいね。


>おめでとうございますううっっ!!

ありがとうございますううっっ!!


>寄せ書きみて今更気付いたのですがサチコは八重歯キャラだったんですね
>すごく良いです、八重歯サイコー

自分は、乳歯がまだ抜けてないのかもなー、と勝手に予想してます。
ポロッと取れたら八重歯じゃなくなるのかも。
でもサチコって歯が抜けたら、同時に腰も抜けそうなイメージ。
ストーーーン! って。
や、なんだその、ドリフに出てくるタンスみたいなシステム。


(おまけの話)
そう言えば、今日から三日間、東京は有明で戦があるんですね。

今年も暑い三日間になりそうなので、
参加する方は水分補給して、日差しに気をつけて楽しんできて下さいね。
行ってらっしゃーい。

・・や、自分も参加してるかもなんですけどね。